大倉山のピアノ教室、フランス語教室「スタジオ・ユール
http://www.studio-jul.com 」の川田です。当ブログをご覧頂きありがとうございます。
今年の冬は、例年と比べて厳しい冬になっています。それに加えて、自然災害も多い印象です(実際に調べていませんが、、、)し、新型コロナの変異株蔓延で、社会活動も停滞気味です。飲食・観光業界の方々も戦々恐々としていらっしゃると思いますが、教育現場も混乱しています。本来受けられる、あるいは受けるべき教育が混乱しているということは、将来の人材の育成に差し障りがあるということです。早急にどうにかして欲しいと思います。
ところで、それとは関係ないのですが、今日は「外国語学習において母語の使用を禁ずるべきか否か」について私が考えていることを書こうと思います。これについては賛否両論ありますし、語学学習において、脳科学の分野では、話すことが書くことよりも優先されること、書くことは話すことの延長上にあることなど、口頭からの外国語学習の優越性が強調されています。実際に母語の習得においては、子供は生まれた時から、母親などの身近な大人の話していることを繰り返し聞き、反復しながら言葉を覚えていきます。
本来であれば、大人の外国語学習においても、おそらく聞き、話すことから入るべきだし、この方法であれば、発音やイントネーションも学習言語のネイティヴにとても近いものになるとは思います。しかし習得しようとしている言語が話されている国に住んでいるなど日常的に聞くことや話すことができる環境にない限り、非常に効率が悪い方法と言えるでしょう。簡単な文章を覚えて、それをなんども繰り返し発音して、次に同じ文章の構造を使って単語だけを入れ替えていくという練習方法もあります。これはこれで習得のひとつの方法であり、言語体系が非常に近い言語であれば、初級の段階ではそれなりに効果のある方法だと思います。
ですが、母語と習得する言語の言語族が異なる場合は注意が必要です。文法大系や表記文字、発音が大きく異なる場合、まず文字を覚えることから始め、それを発音し、文法を学んだ後に、やっと簡単な文章を作ることができるようになります。そのために、文章を作る際には、まず母語で文章を考え、それを翻訳していくという作業をします。この作業の際に気を付けないと、かなりの確率で不自然な表現になります。私も含めてですが、皆さんにも経験のあることでしょう。
確かに最良の方法は、母語を通さずに習得言語で文章が作れることなのですが、日本語を母語としている私たちにとって、ヨーロッパの言語を習得する際には、最初はなかなかそうもいかないのが現実ですよね。いかに教員側が母語の使用を禁じようとも、学習者は母語を足がかりとして考えますので、母語を発することを禁ずることはできても、考える際にはその使用を完全に禁ずることはできないと言えるでしょう。ですので、日本語を母語とする学習者が欧米語を習得する場合に限っていえば、教師は、母語を足がかりとして、学習者に母語との違いを認識させる方法は有効だろうと思います。また、それは日本語を知っている教員だからこそできることではないでしょうか。