2023年03月29日

レッスンを受ける時の不安感と向き合おう!

大倉山のピアノ教室、フランス語教室「スタジオ・ユールhttp://www.studio-jul.com 」の川田です。当ブログをご覧頂きありがとうございます。

今週は春休みのため、今週の平日は私も数日の春休みを取り、コロナ禍で会えていなかった友人たちと旧交を温めています。アンサンブルを楽しんだり、レストランでの食事をしながら積もる話をしたり、以前のような交流が再開しました!

ところで、最近、子供たちを教えていて、強く感じることがあります。それは、子供たちがレッスンを受ける時に、かなり不安な気持ちでレッスンを受けているということです。

決して私との信頼関係がないからというのではなく、うまく弾けるか、それが不安なのです。自信がないと言った方が良いかもしれません。

新4年生の男の子ですが、最近、レッスン中に泣かなくなった子がいます。以前は、それなりに弾けているのに、すぐに泣いていました。それが上手く弾けるか不安であることから来ていたのはわかっていたのですが、最近はそれをすべて口に出すようになってきました。

「あ〜、上手く弾けるかな、俺、無理だよ、こんな難しいの」
「ほら!やっぱ間違えたー。だから言ったじゃん」

45分のレッスン中、ずっとこの調子で不安を口にしています。本当にこの子はこんなに不安な気持ちを抱えて、毎回のレッスンを受けていたのだなと思うと、とても複雑な気持ちです。

でも、このように思っている生徒さんは、彼だけでなく、習い始めてあまり時間が経っていない子供たちは、大方がこの気持ちと戦いながらピアノのレッスンを続けているようです。

小学校低学年までの生徒さんだと、このことが理由で止めていく子もいます。でも、それでも止めないで続けていく子もいます。その違いはなんなのでしょうね。

音楽の楽しさを教えたい私は、この子供たちの不安をどうにか軽減できるようなレッスンはないものかと考えながらレッスンをしています。とはいうものの、一番大事なことは、子供たち自身が自分に打ち克つことなのだと思います。これしか方法がないのではないかとも思えます。私はそのお手伝いをする人です。

この段階を超えた生徒さんたちは、自信を付け、音楽を心から楽しんで、新しい曲にどんどん挑戦していくように変わってきます。この姿を目の当たりにした保護者さんたちは、私を信頼してお子さんたちを託して下さっています。嬉しい限りです。
posted by マカロン at 06:34| Comment(0) | ピアノ

2023年03月12日

23年度に向けての抱負!

大倉山のピアノ教室、フランス語教室「スタジオ・ユールhttp://www.studio-jul.com 」の川田です。当ブログをご覧頂きありがとうございます。

前回、音楽という習い事が、単なる消費行動になってはもったいないという話をしましたが、私の生徒さんたちで練習をきっちりとしてくる子は、実はごく僅かです。

大多数の子供は、「練習をしなければいけないことはわかってはいるけれども、練習は好きではない。でもサボってしまうと、レッスンで自信を持って弾けないので、出来る限りの範囲で練習する」くらいのスタンスで、おうちでの練習をしています。

でも、全員、音楽が好きです。毎日の練習は億劫、ただそれだけです。練習が好きではないので、スムーズに上達はしないのですが、少しずつながら、私が演奏や学業で培ってきた音楽のエッセンスを少しずつ吸収しています。保護者の方々も、子供さんたちが着実に成長しているのを目の当たりにして、その様子を誇らしげに見ています。

私はピアノを弾くことが専門ではないのですが、音楽の専門家です。ピアノを5歳で始め、33歳まで本当に多くの先生に教えを受けてきました。また声楽においては、確固たる技術と広範に渡る演奏様式を身につけ、音楽学研究においては音楽理論、歴史、様式研究なども究めてきました。文化政策研究においては子供たちの成長過程での投資としての音楽の影響などについても調査研究してきました。ですので、技術的な面ではピアノ科卒業の先生には及ばないものの、多様な音楽経験や教職の経験を経たことで、子供たちに音楽の真髄や本質を十分に伝え得る引き出しをたくさん持っています。

「音楽大好き!」という子供たちのその気持ちを大切にしながら、「素晴らしい音楽愛好家を育てる」ということをモットーに、これからもピアノを通して、広く音楽の楽しさを伝えていきたいです。
posted by マカロン at 17:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽全般

2023年03月08日

子供の習い事としてのピアノのお稽古の教育的意義とは?

大倉山のピアノ教室、フランス語教室「スタジオ・ユールhttp://www.studio-jul.com 」の川田です。当ブログをご覧頂きありがとうございます。

保護者の皆さんは、何故、子供たちに習い事をさせるのでしょうか?明確な目的はありますか?インターネットで「子供の習い事の意義」で検索すると、本当にいろいろな意見があるなあと思います。

私にも子供がいるのですが、子供の習い事で重要視したことは「本物を学ばせる」ということでした。ジャンルはなんであれ、子供のお遊びのようなものではなく、「本物を!」ということにこだわりました。その理由は、その道を究めた師の背中を見て、ひとつのことをじっくり探求してもらいたいからでした。

広く浅くいろいろなことをやってみるということにも意味はあると思いますが、「ひとつのことを探求すること」の方が私にとっては重要なことです。試行錯誤し、自分なりの方法を見つけ出す、その過程に意味があり、模索するという過程は、今後どのようなことにも通用すると思います。いろんな分野の先生から効率的にやり方を学び、ある程度できるようになったら止めるのでは、子供の生きる力を養うことにはならないのでは、、、と思います。

そこで、ピアノやバイオリンなどの音楽系の習い事を通して、技術以外の何が学べるのか考えてみようと思います。

まず、教師と生徒の一対一でレッスンが進んでいくことが一般的ですので、大人とのコミュニケーションの仕方を学ばなければいけません。レッスンでは先生から様々な問いが投げかけられます。「そこで躓いたのは、どうしてだと思う?」「どの指使いだと、作曲家が意図したような音楽になる?」「どうして、作曲家はこの音をここで使ったのかな?」「この部分は何色に染めたい?」など、年齢に応じて質問の文言は変わりますが、どんどん質問されます。技術的なことや音楽的なことに関してのこのような問いに、自分なりの考えを言わなければいけません。「わかりません」は許されません、どんなに幼くても。

ですから、数学のように小さい頃からの基礎的な学びをおろそかにはできませんし、実際、楽譜を読む段階では数学的な思考が鍛えられます。同時にその基礎的な学びを論理的に説明する言語的な能力も鍛えられます。

このようなレッスンで、根気強く取り組む、試行錯誤することを楽しむ、自分の意見に責任を持つ(つまり根拠を持って自分の意見を他者に提示する)など、技術的な面だけでなく、これから生きていくのに必要な様々な能力が養われます。

「ピアノの生徒さんはお客さまです」という昨今の風潮のせいか「練習してこなくてもいいですよ」というのがスタンダードになりつつあるようですが、子供の習い事としてのピアノレッスンが、受け身の楽しさや単なる消費になっては、教育的意義がなくなってしまうのではないかと危惧しています。気楽で準備もいらず、工夫も苦労もいらず、その時間が終われば、後には何も残らないというのは、教える側としても寂しい限りです。

音楽を楽しむことが一番大切なことですが、生徒さんたちには、音楽を探求し、音楽を通して成長して欲しいと願っています。
posted by マカロン at 07:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ