2024年06月22日

同じ曲でも、年齢が違えば理解度も違う

大倉山のピアノ教室、フランス語教室「スタジオ・ユールhttp://www.studio-jul.com 」の川田です。当ブログをご覧頂きありがとうございます。

最近、中学1年生にブルグミュラーのアラベスクのレッスンをしました。小学校低学年の生徒さんに教えるときとは全く違うレッスンになり、私自身、とても新鮮で面白い発見をしました。

彼はピアノの習いはじめが遅く、その上、つい最近まで家でほとんど練習していなかったので上達が遅く、ブルグミュラーに入るのがこの年になってしまいました。ですが、理論的な話にはとても食いつきが良く、それらの学習がここに来て実を結ぶこととなりました。

レッスン中、構造や和声進行、音楽書法などの説明とそれをどう表現に繋げていこうかという話を面白そうに聞いています。それに伴って、ピアノを弾くことにも興味が湧いてきたようで、家での練習もそれなりにこなして来るようになりました。

生徒さんの年齢によって教えられることは変わりますが、ブルグミュラーを低年齢で弾くことが普通になりつつある今、理解力が十分に備わった後に、曲全体を俯瞰して弾くことで、もっと多くのことが学べるのだなあと感慨深くレッスンを終えました。

ブルグミュラーの曲は、練習曲とはいえ音楽的で、構造が単純で、練習の結果が見えやすいというのもあるとは思いますが、前回の発表会までは、ピアノの練習自体が面白くなかったのか、発表会という強制の場がモチベーションを誘発しなかったのかわかりませんが、全く家での練習をしていませんでした。でもやっとここに来て、音楽の面白さに目覚めたみたいです!

男の子の場合、「やる気スイッチ」がいつ入るのか、本当にわからないものですね。部活と勉強で忙しい中、よく練習してきていると思います。このままのペースで続けていってくれるといいなあと願っています。
posted by マカロン at 09:16| Comment(0) | ピアノ

2024年06月09日

音楽と語学学習の共通点

大倉山のピアノ教室、フランス語教室「スタジオ・ユールhttp://www.studio-jul.com 」の川田です。当ブログをご覧頂きありがとうございます。

フランス語の生徒さんに音楽大学で教鞭を取っていらっしゃる方がいます。彼女との話の中で、音楽の習得と語学学習がとても良く似ているという話題で盛り上がることがあります。

例えば、フランス語のディクテ(書き取り)ですが、音楽の聴音と良く似ています。ディクテは、読み上げられるテキストを聞き取り、性数の一致や発音されない語末などに注意しつつ書き出していくことなのですが、その際、聞き取れない部分があったとしても、前後の文脈を考えて意味を捉え、文法の知識を駆使して、聞き取れなかった箇所のかなりの部分を埋めることができます。

一方、聴音ですが、こちらは聞き取った音を楽譜に書き出す作業です。聴音も同様に、聞き取れなかった音があったとしても、前後の音楽の流れを聞き取り、和声学などの音楽理論の知識を駆使してかなりの部分を埋めていくことができます。

また、語学学習も音楽実践も座学だけでは到底身に付けることはできません。フランス語を使えるようにするには、文法習得や仏文和訳だけではなく、フレーズがスムーズに口から出て来るように、また自分の考えを文章にできなければいけません。そのためには練習の積み重ねが必要です。動詞を正しい人称、正しい時制に即座に対応させられるようになるのに、多くの実践の回数・時間が必要です。それと同時に、どんどん増え続ける最新の語彙やフランス語独特の言い回し、流行語、略語なども勉強し続けなければいけません。

音楽も同じで、音楽理論のような座学だけでは演奏できるようになりません。実践の積み重ねが必要です。たくさんの楽譜と向き合い、様々な時代の様々な作曲家の様式の作品を小さい頃から演奏して、様々な演奏様式を身につけていきます。演奏法というのは、楽譜のみから読み取ることは難しく、何年もかけて演奏しながら身体知として習得していきます。

当たり前ですが、音楽も語学も小さな学習の積み重ねが必要で、頭(理論や文法)で理解するだけでなく、何度も何度も練習を重ねて、心の成長と共に頭と身体を駆使して、時間をかけて徐々に習得していくものです。

音楽・語学双方ともに、「学問に王道なし」ということです。諦めずに楽しんで学んで欲しいと願っています。
posted by マカロン at 20:05| Comment(0) | 音楽全般