前回、音楽という習い事が、単なる消費行動になってはもったいないという話をしましたが、私の生徒さんたちで練習をきっちりとしてくる子は、実はごく僅かです。
大多数の子供は、「練習をしなければいけないことはわかってはいるけれども、練習は好きではない。でもサボってしまうと、レッスンで自信を持って弾けないので、出来る限りの範囲で練習する」くらいのスタンスで、おうちでの練習をしています。
でも、全員、音楽が好きです。毎日の練習は億劫、ただそれだけです。練習が好きではないので、スムーズに上達はしないのですが、少しずつながら、私が演奏や学業で培ってきた音楽のエッセンスを少しずつ吸収しています。保護者の方々も、子供さんたちが着実に成長しているのを目の当たりにして、その様子を誇らしげに見ています。
私はピアノを弾くことが専門ではないのですが、音楽の専門家です。ピアノを5歳で始め、33歳まで本当に多くの先生に教えを受けてきました。また声楽においては、確固たる技術と広範に渡る演奏様式を身につけ、音楽学研究においては音楽理論、歴史、様式研究なども究めてきました。文化政策研究においては子供たちの成長過程での投資としての音楽の影響などについても調査研究してきました。ですので、技術的な面ではピアノ科卒業の先生には及ばないものの、多様な音楽経験や教職の経験を経たことで、子供たちに音楽の真髄や本質を十分に伝え得る引き出しをたくさん持っています。
「音楽大好き!」という子供たちのその気持ちを大切にしながら、「素晴らしい音楽愛好家を育てる」ということをモットーに、これからもピアノを通して、広く音楽の楽しさを伝えていきたいです。
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