大倉山のピアノ教室、フランス語教室「スタジオ・ユールhttp://www.studio-jul.com 」の川田です。当ブログをご覧頂きありがとうございます。
前回のブログで、子供たちがレッスンの際に、「上手く弾けるか、間違えないで弾けるか」と、とても不安を感じながらレッスンを受けているという話をしました。おそらく、大人の生徒さんでも、たくさんの方が同じような不安を持ってレッスンを受けていらっしゃるのではないかと思っています。
私自身、レッスンを受ける側として不安を感じたことがなかった上、長いこと教える側に立っていたため、生徒さんの側の気持ちを少しばかり忘れかけていましたが、今回、生徒さんの一人が、独り言のように不安を口にしながらレッスンを受けてくれるようになったおかげで、こんなにも大変な思いをして、自分自身と戦いながらレッスンを受けているのだと、改めて気付くことができました。
この不安を乗り越えるためにどうしたらいいのでしょう。私自身の個人的な経験から得た見解ですが、不安を克服するには、自分に自信が持てるまで練習することなのではないかと思っています。演奏会前には、納得いくまで練習できていなければ、舞台の上で不安で仕方ないでしょう。
ピアノのレッスンでなくても、大人になっても、仕事などでプレゼンをする際には、納得するまで練習するのではないかと思います。受験や採用面接の前にも練習するでしょう。つまり、事前にしっかりと準備できるかに掛かっていると言えるでしょう。
教えている生徒さんたちを見ても、最後の最後、自分に自信が持てて、不安なく新しいことに挑戦できるようになる生徒さんは、自分なりに納得できるまで練習することが出来ています。
小学校入学前から小学校高学年や中学生になるまで私のところに通って来てくれている生徒さんたちを見ていると、小学校低学年頃までは、保護者様から「家で泣きながら練習しています」と、頻繁にご報告を受けていました。でも、ある時から、泣くのではなく練習することで、不安を乗り越えるように変わっていきます。
すべての生徒さんに毎日でのお家での練習を強要するわけではありませんが、もしお子さんがピアノのレッスンを受ける時に不安を感じているようでしたら、仕事の時や子供の頃に自信を持って臨めたのはどういう時かなど、お父さん・お母さんの実体験をお話して、準備をしっかりすることで、不安な気持ちは減らせるということを教えてあげて頂きたいと思います。
2023年04月02日
2023年03月29日
レッスンを受ける時の不安感と向き合おう!
大倉山のピアノ教室、フランス語教室「スタジオ・ユールhttp://www.studio-jul.com 」の川田です。当ブログをご覧頂きありがとうございます。
今週は春休みのため、今週の平日は私も数日の春休みを取り、コロナ禍で会えていなかった友人たちと旧交を温めています。アンサンブルを楽しんだり、レストランでの食事をしながら積もる話をしたり、以前のような交流が再開しました!
ところで、最近、子供たちを教えていて、強く感じることがあります。それは、子供たちがレッスンを受ける時に、かなり不安な気持ちでレッスンを受けているということです。
決して私との信頼関係がないからというのではなく、うまく弾けるか、それが不安なのです。自信がないと言った方が良いかもしれません。
新4年生の男の子ですが、最近、レッスン中に泣かなくなった子がいます。以前は、それなりに弾けているのに、すぐに泣いていました。それが上手く弾けるか不安であることから来ていたのはわかっていたのですが、最近はそれをすべて口に出すようになってきました。
「あ〜、上手く弾けるかな、俺、無理だよ、こんな難しいの」
「ほら!やっぱ間違えたー。だから言ったじゃん」
45分のレッスン中、ずっとこの調子で不安を口にしています。本当にこの子はこんなに不安な気持ちを抱えて、毎回のレッスンを受けていたのだなと思うと、とても複雑な気持ちです。
でも、このように思っている生徒さんは、彼だけでなく、習い始めてあまり時間が経っていない子供たちは、大方がこの気持ちと戦いながらピアノのレッスンを続けているようです。
小学校低学年までの生徒さんだと、このことが理由で止めていく子もいます。でも、それでも止めないで続けていく子もいます。その違いはなんなのでしょうね。
音楽の楽しさを教えたい私は、この子供たちの不安をどうにか軽減できるようなレッスンはないものかと考えながらレッスンをしています。とはいうものの、一番大事なことは、子供たち自身が自分に打ち克つことなのだと思います。これしか方法がないのではないかとも思えます。私はそのお手伝いをする人です。
この段階を超えた生徒さんたちは、自信を付け、音楽を心から楽しんで、新しい曲にどんどん挑戦していくように変わってきます。この姿を目の当たりにした保護者さんたちは、私を信頼してお子さんたちを託して下さっています。嬉しい限りです。
今週は春休みのため、今週の平日は私も数日の春休みを取り、コロナ禍で会えていなかった友人たちと旧交を温めています。アンサンブルを楽しんだり、レストランでの食事をしながら積もる話をしたり、以前のような交流が再開しました!
ところで、最近、子供たちを教えていて、強く感じることがあります。それは、子供たちがレッスンを受ける時に、かなり不安な気持ちでレッスンを受けているということです。
決して私との信頼関係がないからというのではなく、うまく弾けるか、それが不安なのです。自信がないと言った方が良いかもしれません。
新4年生の男の子ですが、最近、レッスン中に泣かなくなった子がいます。以前は、それなりに弾けているのに、すぐに泣いていました。それが上手く弾けるか不安であることから来ていたのはわかっていたのですが、最近はそれをすべて口に出すようになってきました。
「あ〜、上手く弾けるかな、俺、無理だよ、こんな難しいの」
「ほら!やっぱ間違えたー。だから言ったじゃん」
45分のレッスン中、ずっとこの調子で不安を口にしています。本当にこの子はこんなに不安な気持ちを抱えて、毎回のレッスンを受けていたのだなと思うと、とても複雑な気持ちです。
でも、このように思っている生徒さんは、彼だけでなく、習い始めてあまり時間が経っていない子供たちは、大方がこの気持ちと戦いながらピアノのレッスンを続けているようです。
小学校低学年までの生徒さんだと、このことが理由で止めていく子もいます。でも、それでも止めないで続けていく子もいます。その違いはなんなのでしょうね。
音楽の楽しさを教えたい私は、この子供たちの不安をどうにか軽減できるようなレッスンはないものかと考えながらレッスンをしています。とはいうものの、一番大事なことは、子供たち自身が自分に打ち克つことなのだと思います。これしか方法がないのではないかとも思えます。私はそのお手伝いをする人です。
この段階を超えた生徒さんたちは、自信を付け、音楽を心から楽しんで、新しい曲にどんどん挑戦していくように変わってきます。この姿を目の当たりにした保護者さんたちは、私を信頼してお子さんたちを託して下さっています。嬉しい限りです。
タグ:生徒さんの成長
posted by マカロン at 06:34| Comment(0)
| ピアノ
2023年03月08日
子供の習い事としてのピアノのお稽古の教育的意義とは?
大倉山のピアノ教室、フランス語教室「スタジオ・ユールhttp://www.studio-jul.com 」の川田です。当ブログをご覧頂きありがとうございます。
保護者の皆さんは、何故、子供たちに習い事をさせるのでしょうか?明確な目的はありますか?インターネットで「子供の習い事の意義」で検索すると、本当にいろいろな意見があるなあと思います。
私にも子供がいるのですが、子供の習い事で重要視したことは「本物を学ばせる」ということでした。ジャンルはなんであれ、子供のお遊びのようなものではなく、「本物を!」ということにこだわりました。その理由は、その道を究めた師の背中を見て、ひとつのことをじっくり探求してもらいたいからでした。
広く浅くいろいろなことをやってみるということにも意味はあると思いますが、「ひとつのことを探求すること」の方が私にとっては重要なことです。試行錯誤し、自分なりの方法を見つけ出す、その過程に意味があり、模索するという過程は、今後どのようなことにも通用すると思います。いろんな分野の先生から効率的にやり方を学び、ある程度できるようになったら止めるのでは、子供の生きる力を養うことにはならないのでは、、、と思います。
そこで、ピアノやバイオリンなどの音楽系の習い事を通して、技術以外の何が学べるのか考えてみようと思います。
まず、教師と生徒の一対一でレッスンが進んでいくことが一般的ですので、大人とのコミュニケーションの仕方を学ばなければいけません。レッスンでは先生から様々な問いが投げかけられます。「そこで躓いたのは、どうしてだと思う?」「どの指使いだと、作曲家が意図したような音楽になる?」「どうして、作曲家はこの音をここで使ったのかな?」「この部分は何色に染めたい?」など、年齢に応じて質問の文言は変わりますが、どんどん質問されます。技術的なことや音楽的なことに関してのこのような問いに、自分なりの考えを言わなければいけません。「わかりません」は許されません、どんなに幼くても。
ですから、数学のように小さい頃からの基礎的な学びをおろそかにはできませんし、実際、楽譜を読む段階では数学的な思考が鍛えられます。同時にその基礎的な学びを論理的に説明する言語的な能力も鍛えられます。
このようなレッスンで、根気強く取り組む、試行錯誤することを楽しむ、自分の意見に責任を持つ(つまり根拠を持って自分の意見を他者に提示する)など、技術的な面だけでなく、これから生きていくのに必要な様々な能力が養われます。
「ピアノの生徒さんはお客さまです」という昨今の風潮のせいか「練習してこなくてもいいですよ」というのがスタンダードになりつつあるようですが、子供の習い事としてのピアノレッスンが、受け身の楽しさや単なる消費になっては、教育的意義がなくなってしまうのではないかと危惧しています。気楽で準備もいらず、工夫も苦労もいらず、その時間が終われば、後には何も残らないというのは、教える側としても寂しい限りです。
音楽を楽しむことが一番大切なことですが、生徒さんたちには、音楽を探求し、音楽を通して成長して欲しいと願っています。
保護者の皆さんは、何故、子供たちに習い事をさせるのでしょうか?明確な目的はありますか?インターネットで「子供の習い事の意義」で検索すると、本当にいろいろな意見があるなあと思います。
私にも子供がいるのですが、子供の習い事で重要視したことは「本物を学ばせる」ということでした。ジャンルはなんであれ、子供のお遊びのようなものではなく、「本物を!」ということにこだわりました。その理由は、その道を究めた師の背中を見て、ひとつのことをじっくり探求してもらいたいからでした。
広く浅くいろいろなことをやってみるということにも意味はあると思いますが、「ひとつのことを探求すること」の方が私にとっては重要なことです。試行錯誤し、自分なりの方法を見つけ出す、その過程に意味があり、模索するという過程は、今後どのようなことにも通用すると思います。いろんな分野の先生から効率的にやり方を学び、ある程度できるようになったら止めるのでは、子供の生きる力を養うことにはならないのでは、、、と思います。
そこで、ピアノやバイオリンなどの音楽系の習い事を通して、技術以外の何が学べるのか考えてみようと思います。
まず、教師と生徒の一対一でレッスンが進んでいくことが一般的ですので、大人とのコミュニケーションの仕方を学ばなければいけません。レッスンでは先生から様々な問いが投げかけられます。「そこで躓いたのは、どうしてだと思う?」「どの指使いだと、作曲家が意図したような音楽になる?」「どうして、作曲家はこの音をここで使ったのかな?」「この部分は何色に染めたい?」など、年齢に応じて質問の文言は変わりますが、どんどん質問されます。技術的なことや音楽的なことに関してのこのような問いに、自分なりの考えを言わなければいけません。「わかりません」は許されません、どんなに幼くても。
ですから、数学のように小さい頃からの基礎的な学びをおろそかにはできませんし、実際、楽譜を読む段階では数学的な思考が鍛えられます。同時にその基礎的な学びを論理的に説明する言語的な能力も鍛えられます。
このようなレッスンで、根気強く取り組む、試行錯誤することを楽しむ、自分の意見に責任を持つ(つまり根拠を持って自分の意見を他者に提示する)など、技術的な面だけでなく、これから生きていくのに必要な様々な能力が養われます。
「ピアノの生徒さんはお客さまです」という昨今の風潮のせいか「練習してこなくてもいいですよ」というのがスタンダードになりつつあるようですが、子供の習い事としてのピアノレッスンが、受け身の楽しさや単なる消費になっては、教育的意義がなくなってしまうのではないかと危惧しています。気楽で準備もいらず、工夫も苦労もいらず、その時間が終われば、後には何も残らないというのは、教える側としても寂しい限りです。
音楽を楽しむことが一番大切なことですが、生徒さんたちには、音楽を探求し、音楽を通して成長して欲しいと願っています。
タグ:生徒さんの成長