ここ数日、少し春らしい陽気になってきています。近所の梅も咲き始めて、とても良い香りを放っております。
ところで、ウサギとカメのお話、知らない人はいないと思います。そこから得られる教訓は、ウサギ側から見れば「自信過剰に物事に取り組むことで得られるはずの結果が得られなくなる」ということ、カメ側から見れば「能力が多少劣っていても、余所見をせずにコツコツと努力することで目標に到達できる」ということだと思います。
私も音大生時代に、先生から「才能のある子に限って練習しないのよね〜」とか、「あの子も真面目に練習すれば、良いとこ行けるのにね」などという言葉を聞いていましたし、ウサギとカメの話の意味も十分に頭では理解していました。
でも、教える仕事についたことで、実感として理解する場面に多く出くわすこととなりました。
小さい頃は、不器用でなかなか先に進まないし、飲み込みも遅く、普通よりも4倍も5倍も練習してやっと人並みという子でも、その努力を5〜6年も続けると、センスはあるけれども実直に音楽と向き合う術を身に着けられずに来てしまった子(ウサギさん)をぐんぐんと抜いていきます。
カメくんは、人一倍練習するうちに先生の助言の真意を理解できるので、最終的に説得力のある演奏することができるようになります。そういう子供の姿を見ると、本当に涙が出るくらい嬉しいです。
真面目にコツコツ続けた先には、ピアノの上達だけでなく、とても高い自己肯定感という副産物をも得ることができます。このことは、今後歩んでゆく長い人生に大きく影響してくるのは間違いないでしょう。むしろ、こちらの方が大事なことなのではないでしょうか。
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