大倉山のピアノ教室、フランス語教室「スタジオ・ユールhttp://www.studio-jul.com 」の川田です。当ブログをご覧頂きありがとうございます。
そろそろ1月も終わろうとしていますが、横浜は天気も良く、今日は比較的温かいので、気持ちよく過ごせそうです!
ところで、先日、お正月休み中に楽譜が読めなくなった男の子の話をしましたが、すぐに感覚を取り戻してくれました!ちょっと忘れちゃったかな?程度の問題で、本当に良かった。
ところで、初心者の生徒さんに読譜を教えるときに、先生方はどのように教えていらっしゃいますか?
ピアノの場合、ト音記号の第一下線上にある音符、つまり「真ん中のド」から教えることが多いのではないでしょうか?教則本もこの音から教え始めるものが多いですね。
その場合、ヘ音記号が後回しになるなどの弊害もあるというのは、良く言われることです。
ですが、実際には、どの方法と取っても良い点もあれば弱点もありますし、ある生徒さんには合うけれど、違う生徒さんには合わないなど、100%完璧な指導方法というのはないのではないかと思います。
私の場合は、どんな小さな子でも最初からト音記号とヘ音記号の意味を教えてしまいます。「ト音記号はソの音の場所を示している記号です。この記号の真ん中の○のところがソですよ」、「ヘ音記号はファの音の場所を教えてくれてますよ。●の部分がファですよ」などと教えます。
バロック時代の楽譜を読む方やクレ読みをされる方はご存知かと思いますが、ト音記号もヘ音記号もハ音記号もいろいろな場所に移動します。ピアノの楽譜のように、ト音記号もヘ音記号も固定されているとは限りませんね。なので、「ト音記号の時には、第一下線にド」と固定で覚えさせてしまうのを、私自身は避けています。
もう少し進んだ生徒さんで、まだ読譜が定着していない生徒さんには、調を教えるときに調号と一緒に教えてしまうという方法もあります。例えば、ト長調の場合、「ト長調ではファに♯が付きますね。じゃー、♯の付く音全部に印を付けてみてね。そしたら、それを目印に楽譜を読んでみようか」という風に、♯が付く音と音階を弾いてあげます。この作業を毎回のレッスンで根気よく続けて行くことで、調と調号を覚え、生徒さん自身の読譜の方法のひとつを身につけていくことができます。
結局のところ、生徒さんが楽譜が読めるようになってくれれば良いわけなので、習得方法は、生徒さんと一緒に探っていくのが最良の方法だと思います。
2025年01月28日
2024年06月09日
音楽と語学学習の共通点
大倉山のピアノ教室、フランス語教室「スタジオ・ユールhttp://www.studio-jul.com 」の川田です。当ブログをご覧頂きありがとうございます。
フランス語の生徒さんに音楽大学で教鞭を取っていらっしゃる方がいます。彼女との話の中で、音楽の習得と語学学習がとても良く似ているという話題で盛り上がることがあります。
例えば、フランス語のディクテ(書き取り)ですが、音楽の聴音と良く似ています。ディクテは、読み上げられるテキストを聞き取り、性数の一致や発音されない語末などに注意しつつ書き出していくことなのですが、その際、聞き取れない部分があったとしても、前後の文脈を考えて意味を捉え、文法の知識を駆使して、聞き取れなかった箇所のかなりの部分を埋めることができます。
一方、聴音ですが、こちらは聞き取った音を楽譜に書き出す作業です。聴音も同様に、聞き取れなかった音があったとしても、前後の音楽の流れを聞き取り、和声学などの音楽理論の知識を駆使してかなりの部分を埋めていくことができます。
また、語学学習も音楽実践も座学だけでは到底身に付けることはできません。フランス語を使えるようにするには、文法習得や仏文和訳だけではなく、フレーズがスムーズに口から出て来るように、また自分の考えを文章にできなければいけません。そのためには練習の積み重ねが必要です。動詞を正しい人称、正しい時制に即座に対応させられるようになるのに、多くの実践の回数・時間が必要です。それと同時に、どんどん増え続ける最新の語彙やフランス語独特の言い回し、流行語、略語なども勉強し続けなければいけません。
音楽も同じで、音楽理論のような座学だけでは演奏できるようになりません。実践の積み重ねが必要です。たくさんの楽譜と向き合い、様々な時代の様々な作曲家の様式の作品を小さい頃から演奏して、様々な演奏様式を身につけていきます。演奏法というのは、楽譜のみから読み取ることは難しく、何年もかけて演奏しながら身体知として習得していきます。
当たり前ですが、音楽も語学も小さな学習の積み重ねが必要で、頭(理論や文法)で理解するだけでなく、何度も何度も練習を重ねて、心の成長と共に頭と身体を駆使して、時間をかけて徐々に習得していくものです。
音楽・語学双方ともに、「学問に王道なし」ということです。諦めずに楽しんで学んで欲しいと願っています。
フランス語の生徒さんに音楽大学で教鞭を取っていらっしゃる方がいます。彼女との話の中で、音楽の習得と語学学習がとても良く似ているという話題で盛り上がることがあります。
例えば、フランス語のディクテ(書き取り)ですが、音楽の聴音と良く似ています。ディクテは、読み上げられるテキストを聞き取り、性数の一致や発音されない語末などに注意しつつ書き出していくことなのですが、その際、聞き取れない部分があったとしても、前後の文脈を考えて意味を捉え、文法の知識を駆使して、聞き取れなかった箇所のかなりの部分を埋めることができます。
一方、聴音ですが、こちらは聞き取った音を楽譜に書き出す作業です。聴音も同様に、聞き取れなかった音があったとしても、前後の音楽の流れを聞き取り、和声学などの音楽理論の知識を駆使してかなりの部分を埋めていくことができます。
また、語学学習も音楽実践も座学だけでは到底身に付けることはできません。フランス語を使えるようにするには、文法習得や仏文和訳だけではなく、フレーズがスムーズに口から出て来るように、また自分の考えを文章にできなければいけません。そのためには練習の積み重ねが必要です。動詞を正しい人称、正しい時制に即座に対応させられるようになるのに、多くの実践の回数・時間が必要です。それと同時に、どんどん増え続ける最新の語彙やフランス語独特の言い回し、流行語、略語なども勉強し続けなければいけません。
音楽も同じで、音楽理論のような座学だけでは演奏できるようになりません。実践の積み重ねが必要です。たくさんの楽譜と向き合い、様々な時代の様々な作曲家の様式の作品を小さい頃から演奏して、様々な演奏様式を身につけていきます。演奏法というのは、楽譜のみから読み取ることは難しく、何年もかけて演奏しながら身体知として習得していきます。
当たり前ですが、音楽も語学も小さな学習の積み重ねが必要で、頭(理論や文法)で理解するだけでなく、何度も何度も練習を重ねて、心の成長と共に頭と身体を駆使して、時間をかけて徐々に習得していくものです。
音楽・語学双方ともに、「学問に王道なし」ということです。諦めずに楽しんで学んで欲しいと願っています。
タグ:常日頃考えていること
posted by マカロン at 20:05| Comment(0)
| 音楽全般
2024年04月04日
音楽性とは?
大倉山のピアノ教室、フランス語教室「スタジオ・ユールhttp://www.studio-jul.com 」の川田です。当ブログをご覧頂きありがとうございます。
新学期が始まりました。新しい環境に身を置き、少々の不安はありつつも、心機一転、皆さん頑張っていることでしょう。発表会も近くなり、一部の生徒さんたちは緊張した面持ちでレッスンに臨んでいます。
話は変わりますが、何をどう説明しても、どれだけ演奏してあげても、音楽的な演奏には程遠い小学校六年生の女の子がいます。彼女はレッスン中、「クレッシェンドもしたし、フォルテのところはフォルテで弾いてるし、指使いも間違っていないでしょ。何か問題でも???」という顔で弾いています。
どうかもっと音楽的に弾いて欲しいのですが。。。。「自分の音をよ〜く聴いて。とっても乱暴な音に聞こえない?」と訊ねても、「????」。
「ここのところで調が変わって、とても柔らかい雰囲気になってるし、dolceって指示があるから、ピアノのタッチもこんな風に変えてみたらどうかな?」と演奏しながら説明しても、彼女から出てくる音は、調節されていないぶっきらぼうな音。
物語を作ってもらったり、各部分の雰囲気を感じ取ってもらい説明してもらったりもしますが、音には反映されず。。。構造の説明をしようが、音量や音色の話をしようが、まったく響いていない様子。困った。。。
でも音楽性は、生まれつき備わった天性だけではないと思います。小さい頃から少しずつ蓄えてきた音楽の知識を総動員して、頭を使って考える。その先に生み出されるものだと思っています。
もちろん、はじめから何も考えなくても、ちょっとした働きかけで音楽的な演奏する子供もいます。でも、それもある一定の年齢(10歳頃を境に)を過ぎれば、もっともっと音楽について考えて、それを実現するためにどうしたらよいのか工夫するという作業がなければ、感覚だけが頼りの単なる行き当たりばったりの演奏になってしまいます。
考えたこと・感じたことを実現するために、さらにテクニックを磨いていく。このスパイラルが、成長には大事なのですね。その先にやっと、人々を感動させられる音楽性豊かな演奏があるのだと思います。
この一連の作業が一人でできるようになったら、私の指導は修了です。その後は、様々な先生に習い、彼らから多くのことを吸収し、独自の演奏に繋げていって欲しいですね。
新学期が始まりました。新しい環境に身を置き、少々の不安はありつつも、心機一転、皆さん頑張っていることでしょう。発表会も近くなり、一部の生徒さんたちは緊張した面持ちでレッスンに臨んでいます。
話は変わりますが、何をどう説明しても、どれだけ演奏してあげても、音楽的な演奏には程遠い小学校六年生の女の子がいます。彼女はレッスン中、「クレッシェンドもしたし、フォルテのところはフォルテで弾いてるし、指使いも間違っていないでしょ。何か問題でも???」という顔で弾いています。
どうかもっと音楽的に弾いて欲しいのですが。。。。「自分の音をよ〜く聴いて。とっても乱暴な音に聞こえない?」と訊ねても、「????」。
「ここのところで調が変わって、とても柔らかい雰囲気になってるし、dolceって指示があるから、ピアノのタッチもこんな風に変えてみたらどうかな?」と演奏しながら説明しても、彼女から出てくる音は、調節されていないぶっきらぼうな音。
物語を作ってもらったり、各部分の雰囲気を感じ取ってもらい説明してもらったりもしますが、音には反映されず。。。構造の説明をしようが、音量や音色の話をしようが、まったく響いていない様子。困った。。。
でも音楽性は、生まれつき備わった天性だけではないと思います。小さい頃から少しずつ蓄えてきた音楽の知識を総動員して、頭を使って考える。その先に生み出されるものだと思っています。
もちろん、はじめから何も考えなくても、ちょっとした働きかけで音楽的な演奏する子供もいます。でも、それもある一定の年齢(10歳頃を境に)を過ぎれば、もっともっと音楽について考えて、それを実現するためにどうしたらよいのか工夫するという作業がなければ、感覚だけが頼りの単なる行き当たりばったりの演奏になってしまいます。
考えたこと・感じたことを実現するために、さらにテクニックを磨いていく。このスパイラルが、成長には大事なのですね。その先にやっと、人々を感動させられる音楽性豊かな演奏があるのだと思います。
この一連の作業が一人でできるようになったら、私の指導は修了です。その後は、様々な先生に習い、彼らから多くのことを吸収し、独自の演奏に繋げていって欲しいですね。
タグ:生徒さんの成長
posted by マカロン at 13:44| Comment(0)
| 音楽全般